行田市の ものつくり大学にて10/8・9・10の3日間 第13回耐力壁ジャパンカップが行われた。
私は仕事の都合で、10/9の予選2日目しか見に行くことができなかった。
非常に詳細なルールがあり幅910mm+910mm+910mmの全幅2730mmの耐力壁の強さをトーナメント方式にて競い合い、最後に残ったものが勝ちとなる。
ただし、組み立て解体にかかる人工(人数x時間)および金物の使用量、国産材・外材、デザイン性など総合的に判断される。
今回初めて、試合に立ち会うことができ、さらに東京大学vs京都大学の因縁の対決をライブでみることができた。
結果は東京大学が勝ち残ったが、京大の試験体は私にとって今後の家作りの概念を180度変更させられてしまうかもしれないくらいショッキングな戦いだった。
京大の試験体は解体され京都に帰っていったが、相手が東大でなければ決勝戦に勝ち残ったと思われる。これも予選でなければみることができない。実にラッキーだった。
いずれも筋交いや合板を使った工法ではなく伝統的な貫工法である、しかしデザイン性からいうと京大の方が美しい。
さらに驚くべきは 京大は釘やビス、補強金物など一切使用していない、さらに材料は地元で採れたスギ材のみ、そしてあろう事か強度的にはデメリットな背割れを入れた北山杉を使用している。
対して東大は土台には栗・柱梁はヒノキそして貫はケヤキなどの堅木材を使用しさらに金物を使用し仕口の固定を行っている。
しかし30KN以上の加圧に京大側は変形することで持ち堪えた会場内大きな拍手でわき上がった。
予想通り北山杉の世割れ部分の埋め木が破壊されたくらいで、ジャッキの力を抜くと元の形に戻ってしまった。
くさびをポンポンと抜いていくだけですべての材料が解体できてしまう。
これをまた組み立てることも簡単であろう。
釘やビス・接着剤がないこのような工法は今までの耐震の概念を変えてしまう。
キーワードは「圧縮木材」の技術だ。
実は土台・柱・梁・貫などすべて杉材である。
常識的に桧などに比べて強度が劣っていることは周知のことだと思う。
実は圧縮力・大きな剪断力がかかる貫・ほぞ・くさび・込み栓を「圧縮木材」加工していることだ、薬品などは使用せずホットプレスにて1/3からそれ以上に圧縮させる技術によって、このような強力な柱頭柱脚の引き抜き・貫材のめり込みを防ぐことができたというわけだ。
金物による補強などしなくても耐震性の高い建物が可能な証明をしていただいた。
とにかく驚きだった。
←こちらの写真のほぞ部分の年輪、どの様にしたらこんな年輪模様になるのでしょうか?
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