2010年11月3日水曜日

とちぎ材ビジネスマッチング交流会

数ヶ月前に栃木県林業振興課から封書が届いた

栃木県の製材所・木工所と他県の木材を扱う方々とのビジネス交流会を開きたいとの内容だったと思う。

ちょうど我が社も地域材を使用した国交省の補助金を受けたコンセプトハウスを建設中のため、埼玉県内では調達しきれない地産の資材に困っていた。

まずは 栃木県環境森林部林業振興課の大野さんより 栃木産の杉の梁材の品質・強度と設計に当たってのスパン表の説明があった。

これにはビックリした埼玉県産材の梁材を探していたが、私のお付き合いしている材木屋さんルートからも調達できず困っていた。

膨大な量のサンプリングと強度試験によるデータにもとずいた、スパン表が提供された。

二宮木材㈱さんでは、6m以内であれば、各梁背の乾燥梁材がストックされていてスパン表に依れば米松と比較しても1分(約3cm)のサイズアップをすれば問題なく使えることが分かった。





続いて栃木県内の林業・製材・材木商 12社が自社の得意分野の説明をされた、今回来られた各社とも非常に興味深い話をお聞きすることが出来た。

山で何が起きているのか、製品としてどのように流通させたらいいのか、

また各社とも魅力ある製品をもたれていた、前出のとちぎ材のスギ平角、もちろんしっかりと乾燥された物だ、私は木材の乾燥に対して非常に興味があった。

各社とも乾燥装置を持っていて、それぞれのノウハウで安定性のある製品を作られていることが分かった。

特に目から鱗だったのが、益子林業さんのアンダー8と銘打った床材シリーズだ、今まで私の知っている限りスギ材で8%の含水率まで下げた製品があることを知らなかった、むしろスギは無理だと思っていた。

でもこの製品,木材の平衡含水率が10~12%と言われているところを、一旦8%以下に落としてから10%まで戻らせるという発想だ、アンダー8というネーミングの意味がやっと分かった。

スギ材のみならず少々高価ではあるが地松(国産の松)のフローリングももちろんアンダー8で作っている。

最後に懇親会が行われたが、個人的に深く掘り下げたお話を聞くことが出来、おいしそうなお料理が沢山あったが、食べる暇もなく終了してしまった。

次回の開催が待ち遠しい。

それと今回、呼ばれた県外企業がどのようにして選ばれたのかが分からない。

大手ハウスメーカー・商社が殆どで、たぶん私の会社のような小企業は1社だけだったのではないだろうか。


もっともっと、工務店や設計事務所の方々が参加されることは、木材をふんだんに使う設計事務所・工務店にとって非常にプラスとなるだろうと思った。

ところで、埼玉県もこの様な実践的なマッチング交流会を開いて貰いたい。

4~5年前に埼玉県主催の「埼玉の木の家コーディネータ」の講習を3日も掛けて受講したが、いざ材木・製品の流通など実践的な話が乏しかった。

実際 県産材100%のモデル住宅を造ろうと思っていたが、材料が揃わないこと(現実的ではないこと)がわかった。

でも、栃木県同様、埼玉県でも流通させようと頑張っている業者さんも多いと思いますが、知ることが出来ないのも事実である。

最後に林業家達が言っていたことは、○○県認証木材等のくくりってあんまり意味がないんじゃないかって、言っていた。

日本列島北から南まで環境が違い同じ杉・桧 土地によりかなり個性はある、しかし山は線引きするものじゃない、
それより国産材というくくりで、もっともっと国産材の需要を増やすことが重要じゃないかと言っていた、私もそう思う。

とちぎ材ビジネスマッチング交流会

平成22年11月2日
芝 メルパルク東京

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