2010年6月27日日曜日

東京大学 安藤教授

今晩TBSの夕方の番組で、東京大学農学部の安藤教授が開発したと言う液体ガラスによる木材コーティング技術を紹介していた。

木材の表面にガラスコーテイングすることにより燃えにくく(炭化はするが燃焼しにくい)、さらに防蟻
・防腐性に優れているという技術だ。

番組を見ていると、電話が鳴った!!

お得意様のお客様からだった、内容はまさしく番組の内容そのもの、佐藤さんは知っていたのか?燃えないシロアリに喰われないという技術を使わないのか?という電話だった。

で、ご丁寧に説明させていただいた。

Q1.知っていたのか?

私は知っていました、番組のも登場していた大阪の越井木材工業さんが不燃・防火の技術を持っていて、実際 当社も公共建築の内装材として不燃処理をした木材を使用した経験があります。


Q2.何故そんな夢のような材木を使わないのか? 

まず防蟻(シロアリに喰われない)に関しては、世の中の大半の木造建築物が地面から1mまでの部分にシロアリ消毒処理を行っています、ガラスコーテイングもその一つの方法かと思います。

ただ大きく違うのは従来の薬品は化学薬品であるのに対して、ガラスという物質(自然に帰ると言っていた)であるということかもしれません。

番組中でも先生は、無害な防蟻薬品と言われていましたが。

じゃ、先生なめられますか?といいたいです。

わたしは化学処理をした木材に触れたくないし、空気も吸いたくないのです。

当たり前となっているシロアリ消毒も実は、多少お金は掛かりますが桧やヒバといった材種を使用することによって、薬品を使用した消毒は要りませんよと法律にうたっているんです。

ですから、化学薬品を使用しない選択肢を選んでいます。

現実シロアリや腐朽菌が大好きな安い木材に薬品を加圧注入した外国産の材料が有り難がれていると言う事実があります。

また木材の不燃化の問題ですが、ガラスでコーティングするという事は、木材の持つメリットである木の香り、調湿性、肌触りを切り捨ててしまうことになります。

私は地元の消防団に入っています、年に数回は地元の火災で消火のお手伝いをさせていただいております。

鎮火後の木造住宅は崩れ落ちていません、柱も梁も炭化していますが心までは燃えずに、崩れる現場を見たことはありません。

一方、鉄骨の工場などは鉄骨が飴のようになって崩壊していることが多いです。

つまり無垢の木材とガラスコーテイングした木材のメリットを天秤にかけてどっちを選択しますか?

私は無垢の木材を選びたいと思います。

共同住宅なら不燃化木材の発想も必要かと思いますが、一般の住宅では子育てを考えると、安全な空間で育てたい。

自分の家から火を出さないという意識や教育によって我が家からの火災に関しては払拭できる問題かなと思っています。

安藤教授の執筆した継手・仕口―日本建築の隠された知恵 は、私の参考書だ。

住宅って工学的な知識も必要だが、木造住宅は農学的な知識も重要であると最近実感している。

機会があれば安藤先生の講義をお聞きしたいなと思うくらい魅力的な先生だ。

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