東京都府中市に学校法人 山縣学園 北山幼稚園がある
昭和40年に創設された名門幼稚園だ、
モンテッソ-リ教育法に基づいて、子供の個性を伸ばしてくれるユニークな幼稚園だ。
理事長の山縣先生もユニークな方だ。
始めてお会いしたのが2008年夏、
田中さんよりご紹介いただいた。
山縣先生は何度もバルセロナを訪れ、ガウディーに惚れ込み、
田中氏の研究にも理解されて、田中氏に基本構想とデザインをされていた。
そして実現した、日本とスペインでは建築に関しての法律が違っている、
耐震性には想像も付かない位規制が多かった。
本当はレンガの積石造で考えていた様だが、それは日本の法規上無理、
鉄骨と鉄筋コンクリート、
それに非構造体としてのレンガ積みの組み合わせで構成されている。
田中氏のテーマは”卵”
園児と先生を交えて何度かのワークショップを行った。
何せ直線が少ない。
田中氏のデザインを実現されたのが、アビエルタ建築・都市の北嶋祥浩先生、
スペイン留学の経験のあるガウディー研究者だ。
田中さんのデザインを日本の法規に会う様な形で実現するのは大変な事だったろう。
ご苦労様でした。
がらんどうのホールは天井に沢山のレールが埋め込まれている、
あえて間仕切りは造らず多目的に使うのが目的だ。
南北に2つの象徴的な階段があり、一つは王様の階段と呼ばれている、
子供達のお遊戯会にはこの階段活用されるんだろうなと想像する。
今年の5月に田中氏が来日されたときに工事中の現場を見学する機会があった、
施工は新潟の新発田建設さん。
現場事務所には沢山のCG画像、模型 そうだよね、図面だけでは想像が付かない空間だった。
現場所長・現場員の皆様・協力業者の皆様、ご苦労様でした。
それでは、ご覧ください。
「卵」
曲線だらけ、鉄筋コンクリート製
外壁はスペイン製積みレンガ
窓廻りのディテール
滑り台
屋上棟屋 卵が乗っている、計画では卵の上に風見鶏の案もあった様な?
今後にご期待
シェル構造の屋根「サグラダ・ファミリア教会」付属小学校の屋根の形がモチーフに
屋上の床にはトップライトのララスブロックが埋め込まれている
シェル屋根の端部のハイサイド窓より2階へ光りを取り入れている。
仕切のないホール実は教室でもある 劇場だ
照明は全てLEDだが、照明なしでも自然光のみで十分明るい。
卵のなかの螺旋階段
王様の階段
山縣理事長と設計室長
乳幼児室
構造設計者 田中輝明氏は完成を見ずして10月「16日に、逝去されました。享年77歳。
2階の教室のセンターには卵形の吹き抜けがある
1周するように鉄道模型のレールが敷かれ、子供達も運転する事が出来る。
羨ましい限りだ。
避難階段と併設して人研ぎの滑り台がある、普段から使う事が重要な事だ。
右が、設計者の北嶋先生、中・左はガウディークラブの会員
これから下は私の大好きな、たぶん子供達も大好きな階段特集です。
ガウディーの地下聖堂の窓があります、今後そこにステンドグラスが入ってくると思います。
この幼稚園も今が完成ではありません。
子供達が入ってきて始めて、命が吹き込まれます。
子供達の遊び回る姿を今度撮影してきたいと思います。
2011年11月3日
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