2009年5月27日水曜日

そして、ローンだけが残った

新潟出張の帰り、関越道赤城サービスエリアで夕食の山菜そばを食べていると、7時30分のテレビの番組が目に入った。

 NHKのクローズアップ現代で、Fハウス(静岡)、Aエステート(埼玉)等ハウスメーカーの経営破綻に伴い、建て主の方々の被害が拡大しているという事がテーマだった。

 見られた方も多いのではないかと思います。早く会社に帰りたかったのですが、結局番組終了まで長い休憩を取って、帰ってきました。

 問題の1つめは、本来出来高に対して見合った前払い金や、中間金を支払うべきところが、工事代金を一括して前払いしてくれれば5%値引きしますよと言葉巧みに、着工前に全額回収してしまう、そしてハウスメーカーは倒産。

 ビデオの中には地鎮祭を行っている映像もあり、そのとき既にハウスメーカーは倒産していた、残ったのは更地と土地・建物のローンだけ、番組の中で、元ハウスメーカーの社員が「工事代金を前払いしたお客は用済み.........的な表現があった」。完全に詐欺だ。

 そして問題は、その前払い代金を提携ローン会社・又は銀行が支払っていること。ハウスメーカーの内情は彼らが一番よく知っているはずなのに、お客をダマして貸し出し、自分たちの負債の回収に当てていたのかという疑問。


問題の2つめは完成保証という抜け穴。 

 番組の中ではAエステートが取り上げられていたと思うが、完成保証に入っていて基礎工事まで完成して会社が倒産、完成保証会社は基礎を放置していて痛みが激しく今後使用は出来ないので基礎は使えないので完成保証は適用されないという回答、ちょっと待ってよ、基礎は1年2年で悪くなる物じゃないはず、私たち建築士から見たらあり得ない見解です。


 素人だから、もっともらしい見解を述べてお金を払おうとしない保証会社、悪どいとしか言いようがない。NHKでは珍しく、その保証会社の社名が判るように映像を流していました。


 結論、どうしたらこの様な被害者が出ないで済むのかということ、我々小さな工務店は近所や、親戚、知人、OBのお客様からの紹介などが多くて、お互い信頼し合い、工事が完成されないとか、代金が支払われないなどの不安はなかった。

 それでも契約・着工・上棟・木工事完了・引き渡し後と数回に分けて出来高に応じて代金を頂くという方法を採っていた。それにしても5%引きますから全額下さい等あり得ない。


 もし、工務店が倒産したら、もし、お客様が代金を支払えなくなったら、と考えると、出来高に応じて代金を支払うという方法が、もっとも安全な方法です。


 完成保証もありますが、いざとなったとき支払わない保証会社があったり、保証を受けること自体結構なお金も掛かるし、工務店も手続きに手間どっります。

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