2011年6月25日土曜日

叔父のお葬式

父の6人兄弟の弟が73才で帰らぬ人となられました。

私にとっての叔父は目標でした。

叔父は、山形の温海(現鶴岡市)の漁村に生まれ6人兄弟の下から2番目、兄姉に支えてもらいながら地元の工業高校の建築科を卒業、上京して建設会社勤務後、設計事務所を開設した苦労人だ。

叔父には、父が請けた新築工事のプランやら確認申請の図書を作ってもらっていた。

当時は練馬に事務所があり、子供の頃、たぶん小学生高学年の頃から、よく父の車の助手となり叔父の事務所へ行った記憶がある。

叔父には私より4才年下の娘、6才年下の長男と弟がいる、私の妹、弟の様な存在だ。

中学の頃は叔父さんにお金をもらって練馬の息子達とプラモデルを買いに行き、父達がプランの打ち合わせをしている間、組み立てて遊んでいた記憶がある。

高校時代はもう行かなくなったが、大学に入り設計の課題が出ると、叔父さんに見てもらいに事務所に行った、大学の教授の次に辛口の評価をもらった記憶にある。

その頃の私は夢があった、打ちっ放しのコンクリートに非常に興味があり、東京都美術館や紀伊国屋の木目が転写されたコンクリートの肌が好きだった。

建築雑誌は新建築やSDを好んでいた、自ずと雑誌に出るような建築家・作品に憧れていた。いつものように叔父に図面を持って行くと、良くできている、でも「霞喰って生きて行けないからな」と言われた。

そのころは意味がよく分からなかったが、30年この業界で仕事をしていると叔父の言ったことがよく分かった。
叔父と叔母は私の目に良い夫婦で、一緒に仕事して羨ましい存在だった。

私が結婚するに当たって叔父叔母のように夫婦で仕事がしたいと言う思いを彼女に告白した。

私が就職・退職、実家の佐藤工務店に入っても、叔父の存在は保険のような存在だった。

何か判らないことがあってもいつでも聞ける、答えてくれる存在でした。おかげで私も家内と設計・施工のプロとして今まで生きてくることが出来ました。

叔父の2人の息子も大学の建築学科を出て、外で修行をし、一級建築士の資格を取って今は、奥様達を巻き込みながら大所帯の設計事務所となりました。

叔父も安心して旅発てたのではないでしょうか。

闘病中は相当痛かったと思いますが、私がお見舞いに行くと、ニコニコしていました。

ゴルフが上手く、設計事務所の経営者にとってゴルフは健康維持の為に必要な福利厚生費だ!と良く言っていました。

田舎の温海では素潜りでアワビやサザエの取り方を教えてもらったり、とにかく格好いい叔父でした。

亡くなられた今も私の目標であることは変わりません。

2011年6月8日水曜日

住宅の気密性能

先日書きました、気密測定技能者試験を受けるにあたり、気密性についての再確認です。


気密性が低い住まいは、室内の空気は外へ漏れ、外の空気が室内に入り込んできて、絶えず家中の空気と外気が入れ替わっている状態ですので、暖めても冷やしてもエネルギーの無駄が非常に多くなります。 

気密性の良し悪しは、C値(シーチ) (隙間相当面積)として数字で表示することが出来ます。
断熱性能や構造性能とは違って、完成した住宅を実際に装置を使用して測定を行います。





すき間の測定方法は、室内の空気を送風機で強制的に外に出します。この時に生じる気圧差と風量でC値が分かります。


C値とは建物の床面積1㎡あたりどのくらい隙間c㎡が在るのかを測定する。単位は[c㎡/㎡]

たとえば延べ床面積30坪(100㎡)の住宅でC値が2.5の場合250c㎡の隙間がある
C値が0.5の場合では50c㎡の隙間があると言うことになります。


つまりC値が小さければ隙間が少なく住宅の気密性能が高いと評価できるわけだ。
それではC値2.5、C値0.5はどの程度の気密性能なのか?

日本に於いては、平成11年の「次世代省エネルギー基準(平成11年省エネルギー基準)」言う気密住宅とは

北海道・青森・岩手・秋田などのⅠ・Ⅱ地域で2.0c㎡/㎡以下
それ以外の地域では5.0c㎡/㎡以下の建物を気密住宅と呼んでいます。

外国の基準は、寒冷地のノルウエー、スウエーデーンの戸建て住宅は約2c㎡/㎡以下、カナダのR2000仕様は約1c㎡/㎡以下と厳しくなっています。


ちなみに興味のある方は某メーカーの気密測定器の取扱説明書がありました。ご覧下さい。

住宅の気密性能は夏と冬では値が違う冬2.0でも夏は1.7だったり、また築1-2年はちょっぴり低下するこれは木材の乾燥収縮などによるものと思われる。

何れにしろC値1.0c㎡/㎡を希望する場合はいわゆる普通のパックされたグラスウール断熱材を使っていたのでは私の経験上、不可能と思われる。

かなり高度な施工方法と施工の精度が求められる、しかし人間が現場で作業するのであるから、多少のばらつきは許容値としてご理解いただきたい。

2011/06/08

2011年6月3日金曜日

気密測定技能者講習

IBEC(財)建築環境・省エネルギー機構より、本年度の気密測定技能者講習実施のお知らせが届いた。

確かに興味はある。

コンセプトハウス「わたしのおうち」を気密測定していただいた経過もあり、自分で測定するというよりむしろ、どの様な方法でどんな根拠で数値が出るのかを知りたいというのが事実です。


実際、コンセプトハウスで測定したところC値0.6という数値が出ました。
この数値はどういう数値か?という理解が必要です。
日本の家の大多数の気密性を比較すると、ものすごく気密性の高い住宅であると評価できます、しかしその大多数の基準はドイツや北欧の基準と照らし合わせると、普通という評価です。

私どものように、いつも同じ断熱材を外貼りにして、同じ大工が、同じ工法で、同じサッシを使い気密断熱性の重要性を考えながら施工した場合、その気密性は大きく変わることはないと思われます。

そこで、1件1件気密測定が必要か?と考えると、費用の無駄ではないかと考えます。

なぜなら測定機材への設備投資そしてメンテナンス・校正など年に5戸程度しか施工できない当社にとっては、お客様への負担は大きなものとなります。

ご希望が有れば外部に依頼する方が、信頼性も向上するのかなと思います。

何れにしろ、佐藤工務店のスキルアップとして、気密測定技能者講習受けてきます。

というのも、案内に書かれている講習会費用・受検費用が去年までよりちょっぴりに安くなったからです。

昨年まではあまりにも高価で拒絶反応がありました。

さらに講習と試験が別々の日だったのが1日で両方受けられるのも良い改革だなと思います。


気密測定技能者養成講習 受講料 10,000円/人(税込)
気密測定技能者試験受験料 15,000円/人

講習会・試験受験料合わせて\15,000/人 


気密測定技能者従事事業所登録料(登録済であれば登録不要) 100,000円

¥100,000円 変わらず  必要有るのか?高すぎない?


気密測定技能者新規登録料 15,000円/人

¥10,000/人


気密測定技能者更新登録料(3年毎) 10,000円/人

¥7,000/人

お金の話ばかりで下世話ですが「気密測定技能者」と名乗るには 昨年までは¥140,000円 今年からは¥125,000ということになる。

結局¥15,000安くなった。

微妙だな。

講習と試験だけ受けてみるか!!